(This article is written in Japanese only, as it introduces Japanese books. Please understand.)
久しぶりに、最近読んだ本を紹介してみようと思います。なんと、前回の紹介記事は一年以上前でした。まったく本を読んでいないわけではないのですが、文章にしてみようとなると、なかなか億劫で…
今回読んだ本は、「デザインのひきだし」という、印刷や加工技術に関する情報を紹介している雑誌です。定期購読しているわけではなく、また製本にはあまり詳しくもないのですが、とても綺麗な表紙だったので、つい本屋さんで表紙買いしてしまいました。
二色の箔押しが目を引く、とても綺麗な表紙です。
特集の一つとして、「今つくられているすごい製本作品」を紹介するページがありました。ストリートスナップ写真のパワフルさを表すため敢えて背表紙を貼らず糊をむき出しにしてその上にスクリーン印刷をしたり、図録に載せる作品の全てを平等に扱うため1ページに載せる写真を一枚だけをにすることで厚みが10センチを超える本になったりと、作者の意思や本の内容を汲んだ様々な本の実例が紹介されていて、製本というものの自由さを感じました。
またこの号では、現在でもよく使われている製本や、アイデアが光る特殊な製本など、さまざまな製本が紹介されています。本の中で紹介されている製本を実際に手に取って確かめてみることができる製本見本が付いているので、「自分が持っているあの本は、どういう製本で作られているのだろう?」と考えながら読んでみるのも面白いかもしれません。
10種の製本見本と、紙の折り8種が付録として付いています。
また、本誌を上製本(ハードカバー)にできるキットが付いています。上製本の仕組みが分かる、とても楽しく良い付録だなと思いました。
表紙が変わると、本の印象もガラッと変わります。
開いてみるとこんな感じ。見返しの紙の色はランダムだそうで、私の場合はクリーム色と藍色でした。どちらを表紙側にしようか悩むのもまた楽しい。
デジタル全盛の今、敢えて紙の本を作るならば、どんな製本を選択するか。そこにこだわりを持つことで、紙の本の存在意義を高めることもできるのだろうなと思いました。とはいえ、本を作る機会というのはなかなか無いもので、私自身は今回得た知識を活かす機会には今のところ恵まれなさそうです。ただ、同人誌を作られている方などには、一読の価値があるのではないかと思います。
ところでこの本の表紙、箔押しされている部分にとても細やかな模様が施されています。
通常、箔と箔の間の部分に箔を貼らない箇所がある場合、ある程度の隙間がないと箔で埋まってしまう、いわばエラーが起きてしまうのだそうです。写真の左上、製本の「製」の字が箔で潰れてしまっているのが分かりやすいですね。そこで、細かい模様を敢えて入れて意図的にそのエラーを起こすことで、箔押しに細やかな模様を付けることができるのだそうです(つまり、細かい模様の部分は、本来「箔を貼らない部分」として印刷上の指定をされている)。
写真では伝わりにくいですし、詳しい理屈は私にはやや難しく、上手く説明することができないので、これはぜひ現物を見てみて欲しいですね。事前に念入りな調整をする必要があるものの、印刷自体は通常の箔押しと同等の費用で行えるそうで、製本の可能性はアイデアによって広がっていくのだなと感じました。製本って面白いですね!