skebリクエストの早読になります。 超能力(時間停)を持ってTS転生した少女(元ドルオタ)が、前世から推しだったJCアイドル・ヒーローを目指して突き進む南条光ちゃんにえっちな悪戯をする話です。 1/8 加筆しております。 1/14 加筆しております。 1/24 完成稿・前編として更新 ──以下、本文── 南条光はアイドルである。情熱を爆発させながら、懸命に努力を重ねるその姿は正しく青春真っ只中の若者と言えよう。しかし、そのベクトルの向かう先は乙女が偶像を目指す理由としては、いささか異様なものではあったのだが。ともかく── 光は文字通り、眩い光に満ち溢れていたのだ。強過ぎるそんな輝きは、時として闇をも覆い隠してしまう。しかしそれはあくまで目を背けるといった部類のものであり、仄暗さが消え失せる訳ではないのだ。無自覚ではあるが、光は闇が持つ澱みを敢えて直視しなかっただけに過ぎない。そんな光だからこそ──時として、悪意は真っ直ぐに向けられてしまったのだろうが。 さて、光が目一杯輝く事が出来るイベントとして、体育祭は外せないものだった。体を動かすイベントなんて、光の大好物でしかなく、気持ちを昂らせながら登校をしたのは言うまでもない。 (全部一番になるぞ~ッ!!) 「わっ、わたしも……」 光の後ろに隠れるように居た少女が声を発した。一見、どこにでも居そうな女子中学生といった風貌の彼女は──ミヤ。ショートボブくらいの長さの黒髪も、垂れ気味で柔和そうな雰囲気のある瞳も、中肉背女の背格好も、至って平々凡々なもの。しかしそれらの要素も、ミヤが転校生だったという事も、光にとっては些細な事項でしかなかった。だからすぐ二人は友人関係となり、やがて親友と呼べるほど関係を構築していったのだ。 そんなミヤに声をかけられて、光から思わず笑みが溢れる。親友である少女と行動を共にするのはごく自然な事であり、それがイベントの最中であればなおさらだった。そんな高揚感からか、もしくは生来の気質のせいか、微笑み返したミヤの口角の吊り上げ方が少しいつもと違ったものだった事に気づく由などなかった。 さて、素早く体操服に着替え終わって更衣室を飛び出した光だったが、しばらくして看過できない違和感を覚えていた。上は体操着、下はハーフパンツという動き易い格好。普段の体育の時と変わらないいつも通りのそれのはずなのに、やけに締め付けを感じるのだ。いや、上下の衣服共に異常性は無い。具体的に言えばハーフパンツの中で身に纏っているショーツに酷い窮屈感を感じるのである。まるで一回り以上小さいサイズの下着を無理やり身につけた様に、だ。 (なっ、なんで、これ……) ゴムの伸縮性のせいか、お尻の割れ目に向かってその布地は引っ張られ、食い込んでくる。放っておけばどんどん食い込み具合は増して、ハーフパンツの中でTバックの様になってしまいそうな程だった。 体育祭の開会式はもう始まらんとしているでハーフパンツを脱いで臀部で起きていることを確認するという選択肢は取れない。ヒップの谷間を侵食していく不快極まりない感覚を解消するには、シンプルにそれを手指で直すしかない。ハーフパンツ越しにショーツのゴム部を摘みあげ、正常な位置に導く。しかしそれは一時的な回復でしかなく、当然のようにショーツは再びお尻の割れ目に向かって再度の食い込みを強いてくる。 (なんでっ……こんなキツいんだよ…) いつもの調子で大股のような姿勢をするとその締め付け具合は増してしまう。光は普段しないような内股姿で、下着の食い込みと奮闘する事になってしまうのだった。 こうなると気になるのは不思議な行動をしている自分を見つめてくる周囲の好奇な視線。特に男子からのそれが、お尻に集まっているような気がして、光は恥ずかしさから顔を真っ赤に火照らせていく。いやらしく思えてしまう男子達の視線を嫌がって、お尻を引っ込めるようにしても下着の食い込みは変わらず激しいまま。おかしな行動を悟られないよう何もしないでいれば、じわじわと柔肌を晒されていく感覚に背筋が震えるだけ。更には、未知なるよりデリケートなゾーンを圧迫されてしまう焦燥感を煽られ、思わず指を這わせてしまうのはローティーンの少女の光には仕方のないことと言えよう。 「おい……南条の動き……」 「なっ、あれ、パンツ直してるのかな……あれ……」 必死に精神と肉体を逡巡させている光に、男子達の会話が耳に入ってくる。しまった、と思いそっと指先を離す光。まるで許しを得たかのようにギュッ、と食い込んでいくショーツ。それを生々しい視線で覗き見ようとしてくる複数の男子の視線。その思春期剥き出しの性的欲望に晒され、ますます光は落ち着かない気持ちになってしまう。 「アイドルがパンツの食い込み直しるって……え、えっろ……」 自分の些細な動きをいいように解釈──実際それは正解なのだが──されてしまい、光は思わず唇を強く結む。 (お、お尻ばっかり見るなァ……!) そう叫び出したくなる衝動を抑えつつ、光は開会式が終わるのをひたすら待つしかなかった。その間もショーツはまるで果実を剥くかの如く光の尻たぶをハーフパンツ内で解放させていく。酷い食い込みに苛まれ、冷や汗が額を伝う始末。まるで腹痛に耐えなければいけないような情けなさと焦燥ばかりが募ってしまう。 (うっ……ほんと、なんなんだよコレぇ……っ) 男子生徒どころか、女子からもどこか侮蔑のような視線が自分に向けられている気がしてしまう。 「だ、だいじょうぶ? 光……ちゃん……」 不意に声をかけられてビクッと身体を震わせる光。その反応で下着が更にお尻の谷間に埋まるのだから、思わず息を詰めてしまう。そんな光の羞恥に染まる顔を、心配そうに覗き込んできたのは──クラスメイトであるミヤだった。 「え、えっ……あ、だ、大丈夫……。なんでも、ない、ぞ……」 そんな取り繕うような反応はかえって 友人に不信感を与えかねないだろう。しかし今の光には余裕などなく、ぎこちなく作った笑みは引き攣っている。 「ずっとお尻気にしてもじもじしてるから……あっちの男子達、光ちゃんのお尻ばっかり見てたし……やっぱり、なんか変だよ?」 「あ……そっ、それはぁ……」 ミヤに指摘され、耳の先まで赤みが至るほどに羞恥心に身を焦がされる光。そんな自分をじっと見つめるミヤの瞳が全てを見透かしているような深みを帯びている。吸い込まれてしまうような錯覚すら感じると同時に、友人の身を案じるその想いを無下にするなど、ヒーローアイドルを目指す光として正しさを失っている気がしてくる。光は恥ずかしさを押し切って、友人に打ち明けることを心に決めた。 「じ、実は……」 周りに聞こえないよう耳傍で囁くように起きている事を話す。自分の臀部で起きている危機的な状況を言語化するのは如何ともし難いむず痒さがあったが、ミヤには何とか伝わってくれた様であった。 「うーん普通に考えたらパンツのサイズが合ってないのかなぁ」 「あっ、あまり大きな声で言わないでくれ……っ」 慌てて、しーっと声をひそめるジェスチャーをして、キョロキョロと周りを気にする光。 「それか、お尻大きくなったのかな? ほらっ、成長期だし……」 ミヤが目尻を下げながら光のヒップに視線を向ける。事実、健康的な女子中学生である光のそれは、アイドルとしてのパフォーマンスの為の筋肉で引き締められながらも女の子らしい柔らかさが絶妙にチューンされている逸品。思春期のこの時期においてそんな魅力的なお尻が理外にボリュームアップしたという仮説が立つのも無理はないだろう。しかし、ミヤのその言い方に蔑みのような雰囲気が纏っていた事と、そのままお尻を触ってくるかのようなどこか不穏で粘着質な気配を感じてしまい、背筋に悪寒が走る。 「とにかくっ、もう少しで開会式も終わるから、トイレとかで確認した方がいいんじゃない?」 先ほどまでの不気味さとは裏腹に、続けて紡がれたのは真っ当と思える助言。ジェットコースターの高低差のような緩急に戸惑いながらも、光はミヤの提案に素直に従うこととした。 実行委員会の代表による宣誓が言い切らないままに、光は最寄りの女子トイレへと急いだ。駆け足になるともちろんの事を言わんばかりにショーツの食い込み具合いが苛烈さを増し、完全にお尻の割れ目に埋もれてしまったのがわかるほど。ただならぬ恥ずかしさが光を襲うが、今は目的地にいち早く到着することに重きを置くことにした。 個室に飛び込んで鍵をかけた光は、すぐさま自分の下半身に視線を落とす。緊張感が走り、喉に唾が通りこむ音がいやにはっきり聞こえた気がした。 (ええいっ、ままよ!) まるで罠かもしれないものに手をつける気分だ。しかし、このまま臆病風に吹かれていても仕方がない。ヒーローに何より欠かせないのは勇気という持論を持っている光は、意を決してハーフパンツを勢いよく下ろした。 「……っ」 果たして、その眼下に捉えたのは変哲も無い見慣れたショーツ。おかしいのは、ただ必要以上にお尻に食い込んでいる、それだけだった。 (本当にお尻が大きくなっただけなの、か……) 釈然としない光だったが、ならばと改めて食い込んだショーツの状態を直そうと、指先を布地のヘリのゴム部にかけようする。しかし、更なる奇怪な事が光を襲った。 ──ブブブブブブブブブッ!! 振動音。それを認知して、刹那遅れて伝わったのは── 「あッ!? あ、あぁんッ!? んん~~ッ!!」 脳が理解するよりも早く全身を貫く甘い電撃。それは股間から突き上げるように体内を駆け巡り、光はたまらず個室の床にへたり込んだ。性質上、そのような事に興味も、もちろん経験もない光には到底理解できない刺激。 ──官能。 股間のとりわけデリケートな部分を、振動というシンプルな手段で的確に責め苦で強制的にそれを引き出してくる刺激の暴力。 (なっ、なにこれェ……っ!?) ショーツの食い込みを正すこともままならず、光は膝立ちのまま目を白黒させてその未知の快感に翻弄されてしまっていた。恥丘は振動からの逃げ場を得れず、ショーツの中でじんじんとした痺れに苛まれ続ける。無尽蔵に生み出される甘い刺激の波は、強引に光の幼い扉を開こうとしてくる。 (やっ、やだ、これ……っ!) 未知の感覚を拒絶するように、もがく光。花芯から湧き起こる熱が下腹部全体を火照らせ、脳髄を侵してくる。このままでは、自分の肉体が異常をきたしてしまうであろう畏怖が光を襲う。しかし、やるべき選択肢が思いつかない。ピンチの時、ヒーローはどうするのがお約束だったろうか。 (かっ、考えろ……考えるんだ、アタシ……) 口元を緩ませながら、それでも光の心は折れない。が、波のように押し寄せる快感に思考がままならなくなってきている。まさに絶体絶命。そんな光に、光明のように差しこんだのは── 視界に不意に映ったメモ用紙。 (なに、これ……? こんなのあったっ……け?) そこには、 『パンツの食い込みを直せばローターは止まります』 と、書かれていた。ローターとはなんだろう、といった疑問が頭の端によぎるが、光はそれを気にかけている暇はなかった。藁にも縋る思いで、慌てて食い込んだショーツを直そうと手を伸ばす。甘い刺激を堪えながら、ショーツの状態を正す事に何とか成功する光。 「と、止まった……!」 するとその振動が止まり、光は安堵の息を吐く。だが、身体の火照りは収まっていない。未だショーツの中で異物が陰部に接着している感覚はあるし、それに対する恐怖のような感情は拭えない。なおも下半身はショーツ姿のまま、進まない逡巡を続け光は固まってしまっていた。そこに、またメモが登場する。 『私はリコ、あなたに呪いを掛けました』 その字面を認識した刹那、光の背中全体が粟立つ。呪い──まるで怪談話で出てきそうなキーワードが、しかもトイレの個室内という格好のロケーションにさすがの光も恐怖のような感情を抱かずにはいられなかった。しかし、光はそれを振り払うように頭をブルブルと振った。目指すべきヒーローはこんな事で怯りするだろうか、と。答えはもちろん否だ。光の目指すべきヒーロー像は、不屈の正義の心を持って理不尽をも覆す超越した存在だ。 「何が呪いだ! そんなのアタシは信じないぞ!!」 強い意志を瞳に宿し、光は姿を現さないメモの主に向かって啖呵を切る。下着丸出しの姿では幾分か間抜けなものあったが、それでも光には揺るがない誇りを胸に堂々としていた。いつものペースを取り戻しつつある光ではあったが、そんな事はどこ吹く風とメモは淡々と新たな文字を記して現れる。 『信じない? では、今パンツを脱げますか?』 まるで問答、もしくは会話のように綴られていく内容。その時点で超常的な事が起こっていることは自明と言えたのかもしれないが、光は怯まない。もしくは、勢いづいたせいで思考がそこまで気にしていなかったかもしれないが、ともかく── 光はメモの内容の意味を汲み取ると、挑発に乗るかのごとくショーツに手をかける。 (脱げる? 何言ってるんだ?? 脱げるに決まって……) 果たして、それは出来なかった。ウエスト部分がどうしても降りていかない。更に言えば、ゴムとして伸縮性のあるはずのそこが全く伸びない、微動だにしないのだ。 (……え? なっ、なんだよ、これ!) 予想外の出来事に光は酷く狼狽する。メモに記されている通り、下着が脱げない。まるでそうされる事を拒否してるかのような強い意思を、所有物であるはずの布地から感じてしまうという理不尽。光は今度こそ超常的なそれを否応無しにも実感することになった。冷や汗が額から流れ落ち、心臓が早鐘を打ち始める。そんな光を尻目にメモは新たな文面を綴った。 『あなたに掛けた呪いは三つ』 (の、呪いが三つだ、と!?) ゴクリと唾を吞み下す光。呪いのひとつは下着を脱げないという奇々怪々な現象だとして、残りの二つはどんなものと言うんのだろうか。そして呪いという以上、それを解く手立ても存在するのだろうか。光のヒーロー然とした精神が反骨の火を灯し始める。 呪いの内容がどうであれ、ヒーローたるもの屈せず、真っ向から受け止めて、最後には勝利を摑む。それこそが光が求める、目指す、正義の具現化なのだ、と。 『一つ、パンツが脱げなくなる呪い』 まず、これは予期していた通り。 『一つ、パンツが食い込む呪い』 (……なッ?!) 心の中で光は絶句した。開会式から自分のお尻を苛んでいた現状も、この呪いによるものだというのか。しかし、二つともなんて悪趣味で恥ずかしい呪いなのだろう。先ほどの勢いが削がれた光は、残るひとつの呪いがどのようなものであるのか、と戦慄すら覚えてしまう。 『一つ、パンツの食い込みに連動する呪いのローター』 「ローター……?」 思わず復唱してしまう光。その反応の通り、ローターという単語自体を知る由が無い光だったが、思考する頭はある。先ほどショーツの食い込みを直した際に収まった振動。勘に近い感覚でそれと未知の単語を結び付る事が出来ていた。 (さっきアタシを襲った振動は……そのローターとかいうやつ……なのか……?) あの未経験な感覚をもたらす震える物体。それの意味を思考が捉える同時に、それがショーツの食い込みに連動しているという考えに辿り着く。という事は……と、思い立つが同時、全身が底冷えするような恐怖が這い上がってきた。そして、それを煽るかのようにショーツは再び理不尽にゴムが締まっていく。 (や、やめろ……ッ!) それを阻止しようとする光の手より早く…… ぷりんっ──と、尻肉が埋まり込んだショーツから漏れ出してしまう。布地の強い食い込みのせいで、だ。みるみるまにそれは、白い下着を境にまるで臀部を割り開いたかのような造形となる。健康的な光のお尻の肉つき具合がが、卑猥に強調されたような絵面だ。JCアイドルがトイレ個室でひとり、そんな辱めを受けているとは誰が想像出来ようか。しかも、同時に── 「……んッ!? あっ、あぁっ! あああぁぁぁっッ!!」 ショーツの中で再び振動を始めたローターが、股間の敏感な箇所を刺激していく。ショーツが食い込んだことで強く密着したその物体は容赦無く、甘く激しい官能の波を光に送り込み続けてきた。たまらず腰をくねらせて悲鳴を上げてしまう光。その悲鳴も陰湿な個室内にはよく響き渡り、自分の出した情けない声を嫌でも認識させられてしまう。 「やっ、やだ……ッ! これっ、だめぇ……!」 羞恥と悲哀に満ちた顔全体を紅潮させる光。アイドル活動で見せるはずもないそんな表情は、ヒーローを目指す光にとって不本意以外の何物でもなかった。奥歯を嚙み締め、なんとか押し寄せてくる快楽という名の責め苦から流れる術を模索する。 (連動って、こと、は……ッ!) 光は下半身を蹂躙する感覚に対して強い精神力を保ちながら、ショーツへと手を伸ばす。ゴム部を両側から掴みあげ、剥き出されたお尻を包むように充てがう。肩で息をしながらも、なんとか下着を正すことを遂行する光。すると、ローターの振動はまるで吸い込まれるに消えていった。安堵のため息をつく光であったが、股間には甘い痺れがじんじんと残るままであった。 『今日1日あなたにはこの呪いを受けたまま生活してもらいます』 メモが追加される。 「今日一日ずっとこのまま……だと……っ!?」 信じられないといった表情で光は食い入るようにその文章を凝視した。 「な、何でこんな事するんだ!」 程度を超して起きるショーツ絡みの一連に、声を荒げて光が食いかかる。その相手は姿が見えない超常的な存在であったとしても、かつてない羞恥心を味わされた光の怒りは収まらなかった。 『それは、楽しそうに学校に通うあなたが妬ましいから』 そんな光と会話をするようにメモが追加される。 『この事を他の人に話せばその人にも呪いが移るので黙っていると事をおすすめします』 『犠牲者を増やしたいのなら止めはしません』 矢継ぎ早にメモは増えていく。そして、それはまるで脅迫めいた内容だ。正義の体現を目指す光にとって、被害の拡大を良しとする筈など無い。そんな光の性格すらも利用するようなやり口だと理解していたとして、光に選択肢は無い。 『むしろ、私はそちらの方が嬉しいのですがね』 頭に卑劣な悪役幹部がほくそ笑む絵が浮かび上がる。こんな小賢しいやり口に屈するわけにはいかない。 『では、今日が楽しい1日になる様に祈っていますよ』 その文章を最後に、メモは現れなくなった。光は憤りを感じずにはいられない。事実、大股で──もちろんショーツの食い込みを両手で押さえながら──丹田の部分に力を込めて、心の中で吠えた。そして意思を言霊に乗せるかの如く、 「あんなやつに負けるもんかッ!!」 自分を奮い立たす言葉を綴るのであった。これは戦いだ、と。そのタイミングで、コンコンと個室のドアを叩く音が響く。 「光ちゃん、大丈夫?」 友人のミヤの声がその向こうから聞こえる。遅くなっている自分を気遣って、様子を見に来てくれた様だ。その呼びかけるトーンは心配の念が滲んでいて、光は申し訳無さを感じてしまう。 「うん、大丈夫。今行くっ」 光はいつもの凜とした声を取り戻し、ドア越しのミヤへそう返答した。ハーフパンツを穿いて個室を出るとミヤに笑顔で向き直り、心配してくれた事に感謝を示す。今まで光の肉体を蹂躙していた堪能の渦は、余韻は残るものの、あの圧倒的な刺激は消え去っていた。 (だったらイケるぜ!!!) 光はもう先ほどの恥態を夢か何かだと考える事にし、いつもの自分を取り戻していく。 「ほら……もう少しで競技始まるから、急ごっ」 差し伸べられたミヤの手を掴む光。最初の競技はバレーボールであり、クラスで光はエースのような存在だ。つまり、必然と活躍を求められており、光にはその責務を全うする義務があるのだ。先程までの不可思議な呪いとかいう代物に屈する事なく、心待ちにした体育祭を楽しむのが光の正義だと改めて心を引き締めるのであった。気づけばミヤを追い越して自分が引っ張るような格好で、体育館へと向かっていた。 ミヤがずっと心配そうに視線を送ってきている事はわかっていたのだが、その優しさに甘えるような光ではなかった。切り替えの早さに、自分でも苦笑を浮かべそうになってしまう光。そんな光は視線を真っ直ぐ進む先へ向けていたせいで見落としていたものがあった。表情──ミヤに宿る禍々しさを纏ったそれに── 「……で、お尻とか、パンツとか……どうだったの?」 ミヤに不意にかけられたその言葉に、光の鼓動は跳ね上がる。その声は意地悪さを孕んでるような気すらしてしまうが、それは呪いという事情がある光の心理状態のせいだと頭を振る。 「なっ、なんでもなかったよ! ちょっと下着が気になっただけで……っ」 それ以上の追及は不要とばかりに、振り向かずにそれだけを告げて光は歩みの速度を早めた。その言葉の通りという事で、ハーフパンツ越しに未だ少しずつ侵食をしてこようとするショーツを正した。 「ふーん」 それに対しミヤは小さく、そう呟いていた。そこから道中、急にショーツの食い込んでいく勢いが早さを増して、連動してローターが起動してしまうことが度々に起こった。 「くっ!? んっ、んんん……っ!」 一度肉体に教え込まれた快感という感覚を、一瞬で光は思い出してしまう事になる。漏れ出してしまった情けない声を恥じながら、光は歩を止めてショーツの食い込みを直すべく指先をお尻に這わせるしかない。その動きをミヤが不思議そうに覗くのが、光の羞恥を煽る。 「光ちゃん、男子も居るんだからあまりそういうのしない方が……」 心配そうな声色は、こちらを労わるからこそなはず。しかし── (そう言われても、直さないと……あっ! ま、また食い込んで、振動がァ……!) 下着の中でデリケートな部分を執拗に揺さぶられる感覚に、光は唇を必死に結ぶしかない。下腹部から湧き上がる熱はやはり看過出来ないものであり、思わず内股になってしまう。その様子を、ミヤが不思議そうに眺める。そんな繰り返し。 精神力が消耗していく中で、メモの主──曰く呪い──に対しての反骨心で光はなんとかその歩みを進めていた。 (こ、こんなのにアタシは負けないぜ……ッ! てっ、くゥッ!?) 脚を踏み出すと自ずとショーツの食い込みが侵食してきて、ローターが始動してしまう。思わず股間を押さえそうになる手を、必死に胸の前で握って堪える光。 「ふぅぅ……ふっ、ふぅー……っ!」 呼吸を整えて、お尻を締め上げている布地を直し再び歩き出す光。その調子で、やっとの思いで体育館に辿り着く。 「あっ、来たーっ! 待ってたよ、光ちゃん!!」 体育館に登場した光を、クラスメイト達が明るく溌剌とした声で出迎えてくれる。戦力として期待されている事が光には嬉しくもあり、やる気を滾らせる要因となる。しかし── ……ブブブブブブッ。 食い込みと振動はそんな事はお構いなしにと、光を責め立てくる。 (うっ、うぐ……ッ! 平常心、平常心……っ) 整列──そしてスタートの配置に着く間、光は脳内に鳴り響き続けるローターの音を意識の外に追いやるべく努めていた。時折目立たぬように静かに食い込みを直しながら、間も無く始まる競技に集中しなくては、と光は気持ちを切り替えようとする。それでも── 「……えっ?」 ホイッスルが吹かれた事も、サーブが放たれた事も気づかなかった。ただあっけらかんとコートを眺めていただけで、セットアップしようとするクラスメイトが自分に視線を送っているのも、どこか他人事に思えてしまってい。 「光ちゃん!」 周囲の数人から名前を叫ばれ、ようやく我に返った光は慌ててサーブを打ち込もうとジャンプのために助走を試みる。が…… ──ぐいぃぃぃっ! 激しい動きは当然、食い込み具合に強く影響を及ぼす。それは一瞬でショーツがぴったりと桃尻の割れ目に埋まり込む程。同時に起こされる振動は、それに同調したように強力なものとなり、光の股座に直撃する。 (くっ、あッ! こんなっ、時にィ……ッ) スポンジを水浸したかかの如く、瞬時に光の肉体の内側へ浸透する甘い刺激、痺れ。制御不能な官能に光は翻弄されてしまい、身体が完全に強張ってしまっていたのだ。 そんな状態でまともなジャンプアタックを繰り出せる筈もなく、情けない跳躍と力無いスイングでへろへろなボールを打っただけに終わってしまう。 「ひ、光ちゃん……? 大丈夫……?」 トスを上げてくれたクラスメイトが、明らかに普段の様子と違う光を見て心配そうな声をあげる。光は何とか取り繕うような表情と台詞を用意せねば、と思考を巡らせるが── ……ブブブブブブッ!! ローターの振動は待ってくれない。その股間虐は光にとって甘い毒であり、油断すれば脳髄までも蕩けさせられてしまうような危機感すら覚えてしまう。 (ぐっ!? だ、だめだってェ……ッ) 「ダメ……? 調子、悪いの?なんか様子、おかしいけど……」 心の中の苦悶を思わず声に出てしまっていた。 「いっ、いや……なんでも……無い、よ……」 と、辛うじて平静を繕えたのは正義という信条を持ち続けた故の賜物か。しかし性経験の無いに等しい男勝りのJCが立て続けに味わうには苛烈過ぎる振動責めに、光は屈服も寸前といったところ。既に幼い花芯はぐずぐずにほぐされて、ショーツには染みがじんわりと広がり始めていた。それに気づく程の精神的な余裕は無く、光は食い込み直しと、競技と、ローターからの責め苦、というルーティーンをこなす事で精一杯であった。 とは言え、足をもつれさせたり、サーブをミスしたり、相手のアタックにまるで反応出来なかったりと、光の動きは目に見えて動きが悪い。コート内のクラスメイトから心配の声をかけられても、小さく頷く以外にまともな反応が返せないでいた。そんな状態でチームがまともに機能する筈も無く、完敗の一途を辿る結果に。 「負け……た……っ」 下馬評では総合優勝を狙える程のクラスだったが、一競技目がまさかの初戦敗退。光は沈痛な面持ちを隠せないでいた。クラスメイト一同も、まさかエースがこれほどの不調に見舞われるとは思っていなかったようで落胆を隠さていない。幸い、激しい動きから解放された事で振動責めの頻度は減ってはいたが、光が受けた精神的ダメージは大きいものとなっていた。そんな傷心状態の光に、不意に頭上に柔らかい感触が重なったことに気づいた。 「ヨシヨシ、調子悪かったんだね? あまり落ち込まないでね」 ミヤの手が自分の頭に乗せられたのだと理解した。子供をあやす様な手つきと、自分を気遣う優しい言葉。 「ミ、ミヤぁ~~っ」 思わずその胸の中に飛び込みたくなるくらいには、光の心は弱ってしまっていた。いっその事、自分の下半身で起こっている恥辱を相談しようかという考えも浮かんだ。が── 『この事を他の人に話せばその人にも呪いが移るので、黙っている事をおすすめします』 メモの内容を思い出し、踏みとどまる光。親友をこんな酷い目に遭わせるわけにはいかない、という正義感が光を奮い立たせる。まだ体育祭は始まったばかりだった。