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桜梅桃華@女装・TSF小説
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男の娘のための性別矯正下着:3

戻らない体

あれから、どれくらい経っただろう。

一週間? 二週間? いや、もうそんな感覚も曖昧になってきている。


気づけば、俺の朝は、洗面所の鏡を見つめることから始まるようになっていた。

そこに映るのは、もはや“かつての男だった俺”ではない。

すっきりと細くなった顎のライン。毛穴の目立たないつるんとした頬。うっすらとピンクが差した唇。


「……もう、女の子じゃん……」


思わずつぶやいたその声も、すっかり甘く響くようになっていた。

自分の声ですら、自分のものだと認識するのに、少し時間がかかるようになっていた。



胸は日ごとにふくらみを増し、今では両手でそっと包まなければ重みを感じるほどだ。

最初こそ、乳首がブラの生地に擦れるたびにびくついていたけれど、今はその感覚さえどこか懐かしく感じる。

むしろ、ブラでちゃんとホールドされていないと落ち着かなくなってきた。


股間の変化は……より静かに、けれど確実に進行していた。

朝、トイレで下着を下ろすと、そこにはもう「男性の象徴」はほとんどなくなっていた。

あれからチ〇コはどんどん小さくなっていき、ついには女性の一番敏感な部分──「クリ〇リス」へと変わっていった。


つるっとした陰部には、うっすらと“線”のようなものが浮かび上がっていて……指先で触れると、かすかに割れ目のような感触がある。


……怖い。

なのに、目が、指が、離せない。

触れて、確かめて、ゾクゾクとする何かを感じて……そして、恥ずかしさに全身が震えた。



例の下着を着用し始めてから、ちょうど1か月が経った。

カードに記されていた「中断厳禁」の期間だ。


もう、下着を着続けなくてもいい。けれど、体はすでに完全に変化してしまった。

もはや、下着を着けようが着けまいが、これ以上の変化はない、つまり完全に女体化したという事なのだろう。


この1か月間、俺は毎日、女の体でしか味わえない感覚に溺れていた。

羞恥、快感、戸惑い、そして……どこか甘美な“支配”感。

自分の身体を自分の意思でコントロールできないような、不思議な感覚。


「これから俺は、どうなってしまうんだろう……」


ひとり、小さくつぶやいた。



もちろん、この1か月で、周囲の目も変わっていた。

最初にそれを指摘してきたのは、両親だった。


「ねぇ、あんた、最近ちょっと雰囲気変わったよね。お肌とか、すごくきれいになってない?」

母さんは朝の食卓で、そんなことを言い出した。


父さんも、


「まぁ……いいんじゃないか? 自分らしくいられるなら」

と、何かを悟っているかのように続けた。


──女の子になりたかったなんて、これっぽっちも思ったことなんかなかった。

けれど、「女性用の下着を買ったら体が変化した」なんて言っても信じてもらえるはずがないし、何より自分の性癖を親に伝えるなんて、できるわけがなかった。


「……う、うん。実は、昔から……女の子になりたかったんだ。でも……できれば、今までと同じように接してほしい」


それしか、言えなかった。

心の中は、ぐちゃぐちゃだった。


友達にも、同じように伝えた。

最初は気まずそうだったやつも、日が経つにつれて、今まで通り接してくれるようになった。

だけど、「あっ、今、女の子として気を使ってくれたな」ってわかると、俺の胸の奥がチクリと痛んだ。


でも、否定はできなかった。

──だって、もう俺は“そういう見た目”なんだから。



そんなある日。


大学に進学していた姉ちゃんが、久しぶりに帰ってきた。

もちろん、この変わった俺の姿を見るのは初めてだ。


「……あんた…その見た目……?」


俺の姿を見るなり、姉ちゃんは目を丸くした。

そして、何も言わずにリビングのソファに腰を下ろした。


しばらく沈黙が続いて、俺は意を決して口を開いた。


「姉ちゃん……俺、実は昔から女の子になりたくて……」


──今日もまた、自分の本心を偽って、言い訳をする。


「あー、やっぱりね。私は昔から気づいてたよ」


「え……?」


「だって……昔、私の制服とか、下着とか……こっそり着てたでしょ?」


──頭が、真っ白になった。


「え、そ、それは……! な、何の話……っ」


「隠してたつもりだったんだ? さすがに気づくよ。かわいいところあるなって、黙ってたけど」

姉ちゃんは、少しだけ意地悪そうに笑った。

その笑みが、なぜか身体の奥をゾワゾワとさせた。


──全部、バレてた……?


「ちょっと私の部屋行こっか?」


【4章へつづく…】

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